生きるを考える絵本  
   
 
   私たちが、絵本制作の目標として取り組んでいるのは、
日常生活のなかにある「不思議」です。たとえば、「出会い」もそのひとつです。
誰と出会うか、なにに出会うかで、世界が一変することはよくあることです。
そのためには、「不思議」と向き合う姿勢、そこにたった視点と視野、
それがいびら工房の目標であり、自分たちの独自性だと思っています。


私たちが制作活動をはじめるとき、その名前をどうしようかと考えました。
元々、私たちのテーマは、広い意味での「ホスピスケア」です。
それを表現するわかりやすい日本語が見つかりません。
試行錯誤を繰り返した末、たどりついたのが、「いびら」だったのです。
「いびら」は、二つの単語を組み合わせた造語です。
それは、あたりまえの日常に内在し、人を支える力を意味しております。  

たすからぬ病と知りし
ひと夜経て われよりも
妻の十年(ととせ)老いたり

上田 三四二(みよじ)  

(ルビ・吉田利康)

これは医者であり、歌人であった上田三四二が、がん告知を受けたときの歌です。
こうした極限的な苦悩を体験することは、彼にかぎらず、生きている限り数多くある。
しかし、科学技術がそれと向き合うことはできません。
「では、なにを支えに…」ということになったら… 。
 「いびら工房」は、そういう世界を描きたい。
今は絵本が中心ですが、必要ならほかのジャンルにも踏み込んで行きたいと思っています。
 
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